英国だより（４）母の日の贈り物

写真：スーパーマーケットの花売り場。

現在、花屋はロックダウン規制により店舗閉鎖中で、配達と事前注文販売しかできない。

スーパーマーケットは営業継続中のため、母の日にはスーパーマーケットの花売り場が賑わいを見せていた。

 

 

３月１３日はイギリスでは母の日だった。イギリスの母の日は復活祭の当日であるイースターサンデーから三週間前の日曜に設定されるので毎年違う日にちになり、大体３月から４月上旬の日曜日が母の日となる

　日本では母の日というとカーネーションを贈ることが多いが、イギリスでは特別に決まった品物はなく、花やチョコレートなどをプレゼントしたりする人が多い。小さい子供を中心に母の日には朝食を作りお母さんのベッドに持っていくというのも人気なようで、私も自分の子供たちに毎年それとなく促してみるのだが、特にそのような待遇を受けることはなく少々残念だ。

　家族揃って食事やアフタヌーンティーに出かけるのも人気だが、今年はコロナウイルスの影響でロックダウンが続き、レストラン内での飲食が許されていない。そのため、母の日オリジナルメニューのデリバリーや、下ごしらえ済みの食材を前菜からデザートまで一食分セットにしたミールキットの販売など、各レストランが知恵を絞って母の日を盛り上げようとしていたようだ。

　また、イギリスでのコロナウイルスの影響を強く感じたのが、母の日の少し前に届いたいくつかの広告メールだった。通常の広告とは別々に届き、「これから母の日に関する商品の広告を送りますが、何らかの事情で受け取りたくない人は設定を変更して受け取らないようにすることができます」というものだった。メールを受け取りたくない理由はコロナウイルスだけとは限らないが、イギリスのコロナ関連死者は合計十万人を超えているので、その家族を念頭においたものだろう。死者数がニュースで報道されるのも毎日続くと慣れてしまうが、その一人ひとりに大事な家族がいたのだと感じられ、自分も日本の親を大事にしなければと改めて思わされるメールだった。

3月18日

北島けい子

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